VISION

JAPAN RENAISSANCE

藝術を通じた真に豊かな文化の創出

未来の人にも伝わる「普遍の美」を求道し彫刻作品を世界に残す

藝術が人の心に潤いを与える物心ともに美しい日常生活

人が生まれ持った天性を生かし自分らしく人生を謳歌する事ができる世界


MISSION

藝術を通じて人と社会に感動の贈り物を

藝術作品の製作を通じて人間が”美”と対話する場を創造する

藝術と共にあるライフスタイルの提案によって日常生活の美しさを高める

誰もが本来持っている創造性を引き出し生活や仕事をより豊かにする


ACTION

藝術 × ヒト・モノ・コトの価値創造

CREATION:彫刻を中心とした藝術作品の創造

PRODUCE:プロダクト開発・展示会プロデュース・空間演出

EDUCATION:藝術を活用した企画・研修・ワークショップ


VALUES

判断基準は美しいかどうか

素直

自然にあるがままの心

挑戦

可能性を信じ未来を創造する


ISSUE

人間観

 私たちが生きる現在の世界は、広大な宇宙空間の中の一つの点である。長い時間の中で地球では豊かな自然が育まれ、生物は自然淘汰を経て生態系を創って来た。人間は生命とのつながりの中で生かされ、文明を造り、文化が育まれ、藝術も生み出されてきた。人間が作り出した文明社会は急速な変化を続け、地球上のどこへでも僅かな時間で移動する事を可能にし、一瞬のうちに全世界の情報が手に入る事も実現した。今やその活動範囲は地球の圏外、火星やその先に至ろうとしている。

問い

 産業革命に端を発する生産技術の高度化は、人間界の物質的豊かさを飛躍的に拡大した。明治維新から凡そ160年が経った日本も、先達の甚大な努力の上に今の姿を築いている。しかし、その一方で成長の過程でないがしろにされて来た価値もある。経済優先主義、機能優先主義は高度な技術と生産の合理性を追求する一方で、「美意識・感性・創造性」といった数値化できない人間の精神面の豊かさを見落としているのではないだろうか。無論、これらの能力を育み、社会に真の豊かさをもたらす藝術も、その価値を見落とされて来た。

 教育面においては工業化に適応する労働力を生産するため、学力偏重教育がなされ子どもの感性は育まれづらくなった。また、経済面においては経済合理性、短期成果主義のものさしによって人間が計られ、個人の創造性や個性を生かす機会は未だ少ない。生活面においては、藝術が高尚なものと認識され生活と乖離する一方で、大量生産大量消費によって作られたプロダクト、分かりやすい情報に囲まれる環境では国民の文化的教養は育まれない。スピードの速い経済のサイクルによって人や物が動かされ、大規模に物を生産しては破壊される。高度な生産性の追求は無駄を排するが、人間が心地よく生きる余白を失っているのではないだろうか。経済合理性の追求は利便性や過処分時間をもたらしても、人間にとって生きる価値がある世界は作り出さない。

 人間の際限ない欲望と、サイエンスによる要素細分化主義は、真の意味において豊かな世界を作り出したのだろうか?この様な人間の価値観の延長線上に生きる私たち、子どもたちの未来に豊かな世界が残るのだろうか?

 私たちを取り巻く状況は日々変化している。人工知能をはじめとしたテクノロジーは現状の機能的な人の仕事を代替する事が予測され、環境変化に伴い産業構造は変革を余儀なくされる未来が待ち受けている。新しい社会において人間がなすべき真の仕事とは何なのだろうか?既存の価値観の延長線上に答えはなく、本来人間が生まれ持った天分、美意識や感性、創造性を生かす、新しい人間観と社会の在り方を考えなければならない。

藝術の力

 藝術には、作品としての「美」を追求する事、自らの手で0から1の価値を創り出す喜び、国や言語を超えた感動によるコミュニケーション、自然素材を彫刻に変換する事で人間と自然のつながりを感じさせる力など、深淵で多様な力がある。藝術と社会を再びつなぎ、新しい価値を生み出す活動を通じて、私たちや次の時代を生きる子どもが物心ともに豊かに生きる事が可能となる美しい世界を目指したい。

 なすべき使命は、「藝術の創造と活用により真に豊かな社会に貢献する事」である。再び藝術を日常、企業、地域など人の生活とつなぎ、新しい未来の共創に取り組む。その為にはビジョンを描き、正しい考え方に基づき、活動を進めていかなければならない。

 彫刻家イサムノグチは、地球を彫刻し、藝術を通じて人の役に立とうとした。私も彫刻の創造は、人間と宇宙や自然をつなげ、場に生命感を与える崇高な使命であり、人間にしか出来ない仕事であると考えている。人間の精神面の豊かさを見落とさない、新しい人間観と社会の在り方がが問われている。彫刻という、古代から続く伝統の探求を礎に、現代社会においてどの様にその可能性を拡張し、人間にとって新たな意義づけを行い、豊かな社会に貢献できるか。これが、私の挑戦だ。

令和3年7月20日
重岡 晋